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6回目のシンフォニー
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「今日は大きな仕事をやってのけたと思う。12ステージで6勝、特にここTrevisoで2003年のGiroでの勝利数に並びたいと思っていたんだ。TrevisoはFassaとPinarelloの地元だからね。もしMcEwenが勝った第5ステージで最後のスプリント勝負に加わって勝てていたら、ここで6勝を迎えることはできなかっただろうと思うと、運命的なものも感じるよ。これでよかったんだね。それに今日のスプリントは今季のGiroの中でも最高のものだったよ。Saronni,Maertens,De VlaeminckのGiroでの7勝に並ぶこと?いや、いまは結構だよ。7勝、8勝、9勝・・・。でも僕はその日その日をがんばることにするよ。何も失うものはないから。できるだけ危険は避けたいけど、もしまたスプリントのチャンスがあれば、もちろん挑戦するよ」

今後のことは。
「Tourのことを考える前に、Giroを終わらせなきゃ。それから少々エネルギーを回復しないとね。7月に今と同じ状態に持っていくことは簡単じゃないということはよくわかってるよ。去年はまさにこのGiroを落車の影響でリタイアしなければならなくて、Tourへの出場が危うくなってしまったんだ。すべてがうまくいけばイタリアチャンピオンシップにも出場するつもりだよ」

今日は記憶すべき勝利だった。
「背中に背負っている荷物の重さに悩まされたけど、なんとかやるべきことはやってのけた。このことは、去年の6勝が決してまぐれじゃなかったということを証明することだよね。自分のやったことを証明することは難しいことだけど、まさか達成できるとは思いもよらなかったよ。
勝利数でも大事なものはあるね。1年半の間にグラン・ツールで21勝したということは、なにか大事なことをなしとげたことを表していると思う。これで終わりにならないといいんだけどね。今日は最高のスプリントができたから。
ゴールした後にMcEwenが『君はほんっとにすごいヤツだ』と言ってくれた。彼は僕がどこでスパートをかけたかを知っているし、ずっと僕にぴったりとくっついてきたけど、横に並ぶことすらできなかったんだよ」


少々苦言も呈すべき勝利だった。
「最終局面でDomina VacanzeはNaudusをスプリントさせようとしたみたいだけど、Fassaのトレインに近すぎたんだ。だからうちのトレインの横についていればそれで十分だったんだろうに、Colomboは何度も何度もVeloとOngaratoに接触してきた。なぜそんなことをしたのかわからないよ。時速60km以上で走っていたのに、どうしてあの時点でそんな危険なことをしたんだろう?」

夢に向かっての勝利でもある。
「最終ステージのMilanoの周回で勝ってGiroを終わりたいな。それと1度はクラシックレースでも勝ってみたい。僕の夢はSanremoだよ。今年はその夢が叶いそうだったんだ。すでに5勝をあげている状態でSanremoに臨んで、Cipressa峠でも脱落しなかったのに、負けてしまった。初めて参加したけど4位につけた。きっといつかは勝てると思うから、また挑戦したいよ。
それから世界選手権にも出たいな。もし勝てないことが決まっていたら我慢するしかないけど、やってみるだけの価値はあると思う」


競い合う勝利だった。
「雨の中Cipolliniが落車したCivitellaでのステージの後、Bartoliと電話で話したんだ。彼は言っていた。『もうスプリントはやりたくないよ。君みたいになれたらいいのになぁ。一旦飛び出したらみんなを置いてきぼりにして、危険の少ないところにさぁっと抜け出してしまうんだもんねぇ』でもこれは難しいことはわかってるよ。僕だって独走することは夢だからね。しょうがないけどね。僕は自分のスプリントをすることに徹して、いつかMilano- Sanremo間のPoggioで、BettiniやBartoli、Rebellinたちと丘を駆け下り、全員一緒にゴールを目指す、というのをやってみたいね。
それから難しいだろうけど、オリンピックでの金メダルのことも考えている。アテネでは5人で1チームで、集団を支配するより逃げを打つことが要求されるようだ。いずれにせよ、かなり僕向きのコースだと思うよ。Giroが終わったら、ナショナルチームの監督のFranco Balleriniと一緒に実際にコースを見に行こう、ということを話したんだ」


特別な人に捧げた勝利だった。
「チームメイトで親友のGuido Trentiのことを考えているよ。彼がいなくてとても淋しい。うちのチームは今もすばらしいトレインだけど、彼は僕たちにとって大事なコマなんだ。今日のステージの前に携帯に彼からのメッセージが届いていた。ここで僕たちが勝つと確信しているという彼のメッセージのおかげで僕は奮い立ったよ。
彼は僕に電話をしてきた。ずっと彼の声を聞きたかった。Giroが始まるときに『君はGiroの6勝目を僕に捧げなきゃダメだよ』って言ったんだ。冗談を言っていると思ったけど、その通りになったね」


Filippo Grimaldi/040522 La Gazzetta dello Sport
by filippo_i09 | 2004-05-23 20:05 | Commenti(インタビュー)
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